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フィンガー5

沖縄県出身の玉元兄弟姉妹で結成されたバンド。1973年にリリースした、授業を受けている生徒のうぶな気持ちをうまく綴った「個人授業」がミリオンセラーになり、一気に知名度が上がる。米国で大ヒットを飛ばしていた実の5人兄弟で結成された同じ形態のグループ「ジャクソン・ファイブ」を意識したものであった。

フィンガー5_f0091289_23555314.jpg父親から初めてお土産を貰った。
父は熱海から大島までを行き来する東海汽船の乗務員でコックとして勤めていた。
小学生になったばかりの俺はテレビでやっていた「ゴジラ」が大好きで、よく好んで見ていた。当時本当かどうかは分からないが「ゴジラの撮影が大島の三原山にやって来た」と父は言ってお土産をくれた。それが「ゴジラ」とフィンガー5のレコードだった。
今思えば何故フィンガー5のレコードなのか理解出来ない。

ゴジラのレコードはつまらなかった。
主題歌である唄なしの曲や挿入歌の演奏が入っているだけのEP盤であった。

確か土曜日だったと思うけれど、テレビでフィンガー5が出演している番組があった。
何だったっけかなぁ~?あのデカイ人形・・・?最近何かのコマーシャルに出てたよ。
まぁ、とりあえずその番組を見ていた俺にとってフィンガー5のレコードはありがたかった。
父から貰った物で唯一覚えている物でもある。
そして俺個人の所有物として初めてのレコードだった。

今でも衰える事のない音楽への憧れ、エンターテイメント、その1番始めはフィンガー5だった。
もしこのレコードを貰ってなくてゴジラの撮影機材でも貰っていたらなら違う人生を歩んでいたかも・・・?8年前に亡くなった父はそんな俺をどう見ていたのだろうか?
子供の頃は素直な気持ちを言葉にする事は出来なかった。
今ならば素直に「ありがとう」と父に言葉を残したい・・・